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先日の新聞に、片手片足のリキシャ引きの話が載っていた。
(記事の原文と写真はこちら。)


彼は5年前、12歳のときに(ということは今17歳!?)、列車事故で片腕と片脚を失った。

当時、マドラサと呼ばれる神学校に通っていたが、
「肢体を1本失った者は、イマーム(イスラム教の僧侶)になれない」
と先生に言われ、勉強を続けることを止めてしまった。

彼にはやはりマドラサに通う兄弟が2人いて、
野菜を売って生計を立てている父親の稼ぎだけでは、
彼を学校に通わせるのは苦しかったのも理由の1つだった。

ある日、ダッカで物乞いをしていた親戚の男が、
「ダッカに来ればお金が稼げる」と言って、
彼をダッカに連れて行きたいと父親に申し出た。

障害のある彼と一緒に物乞いをすることで、稼ぎが増えるのだ。

彼は、稼ぎの半分をもらい、それを田舎の父親に送った。

しかし、彼は物乞いをすることは屈辱的だと感じていた。
「毎晩祈りを捧げるときに、『どうか別の良い方法をお示しください』と
アッラーに懇願した」と言う。

2ヵ月後、彼をダッカに連れてきた親戚の男が亡くなった。
しばらくは物乞いを続けたが、やはり嫌で一度は田舎に帰った。

でも、田舎でも、障害者は物乞いで稼げると言う人が多く、
どうしても物乞いでない何かがしたいと思った彼は、再びダッカへ。

そして、あるリキシャのオーナーに頼み込んで、
リキシャを引かせてもらうことに。

最初は取り合わなかったオーナーだったが、
試しに夕方からの数時間リキシャを借りた彼が
70タカを稼いできたことに感心して、
貸し賃の80タカをまけてくれたという。

この70タカが、彼の新しい人生での初の稼ぎとなった。

片手片脚の彼は、一度に1人の客しか乗せられない。
あまりにひどいでこぼこ道も走れない。
彼のリキシャ乗りたがらない客も少なくない。

それでも、彼は自分の稼ぎから、
父親の借金の返済や兄弟の学費の手助けをしている。
その上、少しずつだが貯金もしていて、
いつか両親のそばで店を営みたいと夢見ている。

彼の田舎の村人たちや先生は、
彼がリキシャを引いて稼いでいるとは信じてくれない。
彼のお金は物乞いで得たものだと信じて疑わない。
なので、彼の記事が新聞に載れば、
「皆もやっと信じてくれるだろう」と目に涙を浮かべた。


こういう人もいるんだなあ、と感動。

健康体でも物乞いで稼いでやろうという人も多い中、
なんとか自分で仕事をして生計を立てたいと頑張る彼を応援したい。

でも、本当なら、彼のように体の不自由な人が、
肉体労働ではなく働ける場があるといいのにと思う。


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